「では、画面共有しますね」

この一言のあとの3秒間が、どうも苦手です。

共有ボタンを押す前に、頭の中で高速チェックが始まるんですよね。デスクトップ大丈夫だっけ。あのフォルダ名、見えてない? そういえばさっき保存した「請求書_未送付.pdf」ってどこに置いた……。

画面共有の事故って、だいたい同じ場所で起きる

思い返すと、危ないところはいつも同じでした。

  • 通知 — よりによって「例の件ですが」で始まるメッセージが右下に出る
  • デスクトップのアイコン — 案件名とか取引先の名前が、そのまま並んでいる
  • エクスプローラーのフォルダー名とパス — 資料を開くたびに全部見える
  • ファイル名 — 「_最終版」「_他社には見せない」。中身より雄弁

対策の記事はいくらでも出てきます。でもどれも、結論が「毎回、手で気をつける」なんですよ。通知を切って、デスクトップを片付けて、いらない窓を閉じて……会議前の1分でそれを毎回やる、という話です。

まあ、続かないですよね。私は無理でした。なので作りました。ドロンです。

……ドロンです。ドローンではありません。飛びません。忍者の「ドロンっ」の方です。

やることは1つ。Ctrl+Shift+D で全部隠す

押すと、PCがまるごと「見られてもいい状態」に切り替わります。

同じ瞬間の、自分の画面と相手の画面。上の窓は後で説明する専用ファイラーです
同じ瞬間の、自分の画面と相手の画面。上の窓は後で説明する専用ファイラーです

下の緑、私が塗りつぶしたわけじゃないです。共有相手にはこれが届いています。

からくりは単純で、同じ操作を2回やりました。1回目は自分の画面を、2回目は共有される側の映像を録画して、並べたのがこの絵です。ファイル名は撮影用のダミーですが、動きは本物です。

壁紙は無地(か好きな画像)に、デスクトップアイコンは非表示、通知は止めて、LINEやSlackは最小化、エクスプローラーは全部畳んで「最近使用したファイル」も隠す。タスクバーごと消すこともできます。スクショを撮るときに便利です。

画面全体だとこうなります。窓もアイコンもタスクバーも残りません。

押す前と押した後。デスクトップまるごと切り替わる
押す前と押した後。デスクトップまるごと切り替わる

「隠したら自分も作業できないじゃん」問題

作りながら一番悩んだのがここでした。隠すのは簡単なんです。でも隠したら、自分もファイルを触れない。会議中に「あの資料出して」って言われたら、結局元に戻すしかない。それじゃ意味がないなと。

そこで、共有に映らない専用のファイラーを付けました。

ドロンエクスプローラー。自分の画面にはこう見えていて、相手の画面には出てこない
ドロンエクスプローラー。自分の画面にはこう見えていて、相手の画面には出てこない

Windowsの「画面キャプチャの対象外」に指定してあるので、自分には見えていて、相手には出てこない。普段と同じクイックアクセスのピン留めが並びますし、コピー・移動・削除・名前の変更・新規フォルダー・絞り込みまで、いつものエクスプローラーと同じように使えます。

隠している間は画面の隅に「どろんっ!」と小さなバッジが出ます。これも相手には映りません。話しながらでも、いま隠れてるかどうかが自分だけ分かる、という感じです。

押し忘れる。人間だから

とはいえ、ショートカットを押し忘れるのが人間です。私も忘れます。

なのでドロンは、通話や配信が始まったのを自分で気づいて発動します。

  • マイク・カメラ・画面キャプチャが使われ始めたら発動(アプリは問いません。Discordの通話や画面共有、ブラウザのGoogle MeetやZoom、OBSを使わない配信でも動きます)
  • OBSやZoomなど、指定したアプリを起動したら発動

狙っているのは「Discordで通話ボタンを押したら、もう隠れてる」という状態です。ちなみに起動しっぱなしのTeamsみたいな常駐アプリでは誤発動しません。ここは実機で何度も踏んだので、そういう作りにしました。

実は本命は「ちゃんと元に戻る」ところ

地味なんですが、このツールでいちばん大事なのは復元だと思っています。

だって、壁紙を勝手に変えるツールが壁紙を戻せなかったら、それはもう事故ですよね。なので解除したら、壁紙・アイコン・通知・タスクバー・最小化していた窓、ぜんぶ元の状態に戻します。万一ドロンが落ちても、次に起動したときに勝手に戻します。

……この記事を書いている数時間前にも「壁紙の参照先が自分のフォルダーを指したままになる」というのを見つけて直しました。見た目は戻っていたので、あやうく見逃すところでした。こういうのを潰すのが一番時間かかります。

設定は1画面

設定画面。上のボタンで手動オンオフ、下に隠す項目のチェックが並ぶ
設定画面。上のボタンで手動オンオフ、下に隠す項目のチェックが並ぶ

タブは作りませんでした。全部見えてる方が結局速いので。隠す項目は個別にオンオフできるので、「通知だけ止めたい」「壁紙は変えたくない」もどうぞ。

こんな人に向いてます

会議で画面共有する人(リモートワーク・フリーランス)

Zoom / Teams / Google Meet で共有する前にワンタッチ。取引先ごとのフォルダーが並ぶデスクトップを、毎回片付けなくて済みます。

配信・収録する人(配信者・VTuber)

OBSを立ち上げただけで発動します。配信に本名やフォルダーのパスが映る、いわゆる身バレの入口をまとめて塞げます。「配信用にWindowsのアカウントを分ける」より、だいぶ軽い運用かなと。

ソフトのスクショを撮る人(開発者・ライター)

タスクバーもアイコンも消えるので、サンプル画像がそのまま撮れます。この記事の画像も、実はこの機能で撮りました。同じ用途ならスクショ用のツール(ToriPita)も無料で置いてあるので、よかったらどうぞ。

できないことも書いておきます

有料なので、正直なところを。

  • ブラウザのブックマークバーは自動では隠せません。 Windows側から状態が読めないので、ここは諦めました。代わりに「ブックマークも履歴も出ないブラウザを開く」ボタンを付けています(Ctrl+Shift+B でも隠せます)
  • リモートデスクトップで作業している人は注意。 共有に映らない窓(専用ファイラーやバッジ)が、自分の画面にも映りません。リモート越しの画面って、それ自体が「キャプチャ」なので、仕組み上こうなります。設定でこの保護は切れます
  • 自動検知は環境で差が出ることがあります。ダメだったときも、ショートカットと手動は確実に動きます

置いてある場所

Windows 10(build 19041)以降 / 64bit で動きます。追加のソフトはいりません。通信もしません(完全ローカル)。管理者権限もいりません。

買い切り ¥2,480、アップデートは無料です。

ドロン — 画面共有の前に、見せたくないものを一瞬で隠すWindowsツール【BOOTH】magnus-tools.booth.pm ↗

「共有しますね」の3秒間を、もうちょっと気楽にしたい人にどうぞ。

更新のお知らせは X(@magnus_app_) でやっています。